
皆さんこんにちは!
名古屋市緑区を拠点にプラント内の重量鳶工事、機械器具設置工事などを行っている
株式会社島工業、更新担当の富山です。
今回は、エプロンコンベア更新工事の【最終レポート】をお届けいたします。
前回までの記事では、工事の全体像と試運転の様子、安全管理の工夫などをご紹介しました。
今回は写真付きで施工位置と作業内容をさらに詳しく掘り下げ、現場で何が行われていたのかを“リアル”に伝えたいと思います。
こちらの写真は、**エプロンコンベアの本体据付作業の様子(炉前付近)**を撮影したものです。
赤錆色に塗装された新品のコンベアユニットを、チェーンブロックと吊りチェーンを駆使して、開口部から慎重に挿入・位置合わせしている場面です。
この工程では、以下のような点が重要視されました。
吊り位置のバランス確保:ユニットの重心を正確に読み取り、左右に振れないよう配慮
干渉回避:搬入ルートの周囲には焼却炉の開口部や既設フレームがあるため、1cm単位のクリアランス調整
仮固定→本締め:一旦仮止めで位置を確定させた後、周囲のフレームと一体化させるよう本締め作業へ移行
この「炉前据付部」は、最も慎重さが求められる箇所の一つ。少しでも傾きがあれば、チェーンの走行に歪みが出てしまうため、水平・垂直の精度確認を繰り返し行いながら施工しました。
この写真は、コンベアユニットを構成する部品を搬入経路から吊り上げている様子を収めたものです。
吊りポイントは天井の鉄骨に組まれた仮設トラス。1スパンあたり200kgの吊り制限があり、作業員がチェーンブロックを操作しながら、パーツを上階へ搬入しています。
注目すべきは右側に掲示された「安全帯着用」の指示。これは単なる注意喚起ではなく、この位置から先は高所作業が確定するという合図です。作業エリア全体が、計画的にゾーン管理されていることが伺えます。
ここでのポイントは以下の通りです。
吊り点の分散設計:重量が偏らないよう、複数の吊り金具と分散荷重により対応
声掛けの徹底:死角が多い位置のため、「吊るよ!」「止めて!」といった合図を明瞭に
搬入部品のマーキング:どの部品をどこへ運ぶか、部品ごとにナンバリング管理を実施
この工程がスムーズにいくかどうかで、後の据付作業の段取りが大きく左右されます。
重量物搬入こそ、最初の山場といえるでしょう。
据付完了後は、以下のような“仕上げ工程”に入ります。
チェーンのテンション微調整
停止位置の確認
グリースアップと潤滑状態チェック
モーター配線・制御系統の確認
通電試験~無負荷・実負荷での搬送確認
最後は現場責任者立ち会いのもと、**「振動なし」「スムーズなチェーン搬送」「異音なし」**という3拍子がそろって、正式に完了となりました。
今回のエプロンコンベア更新工事を通して、改めて感じたのは「人の力が機械を超える瞬間がある」ということです。
狭い空間、限られた吊り代、安全とのせめぎ合い、1人では成しえない作業──。
それを**「段取り」「声掛け」「技術力」で乗り越えるのが現場力**なのだと実感しました。
エプロンコンベアは見えにくい設備ですが、工場や施設の稼働を根本から支える重要な存在です。
当社では以下のようなご相談にも対応しています:
🔧 古い搬送設備の更新や延命策
🧰 定期点検・予防保守プランのご提案
⚙️ 設備トラブル対応(緊急・夜間含む)
📋 新設ラインに合わせた設計提案
次回もお楽しみに!
名古屋市緑区を拠点にプラント内の重量鳶工事、機械器具設置工事などを行っております。
お気軽にお問い合わせください。
皆さんこんにちは!
名古屋市緑区を拠点にプラント内の重量鳶工事、機械器具設置工事などを行っている
株式会社島工業、更新担当の富山です。
今回は、私たちのチームが担当した「エプロンコンベア更新工事」について、現場の様子を交えて詳しくご紹介いたします。
エプロンコンベアは、工場の中でも特に過酷な環境で使用される搬送設備のひとつ。重量物や高温の原料、または鋭利な物体などを搬送するため、その耐久性と安定稼働が何より重要になります。しかし、長年の使用により摩耗や損傷が進むと、搬送トラブルや生産ラインの停止といったリスクが高まります。
今回の現場では、そうした老朽化したエプロンコンベアの全面更新工事を行いました。
今回の更新工事は、以下のような課題を解決する目的で実施されました。
長年の使用によるチェーン部・スプロケットの摩耗
コンベア底面の腐食進行
モーターと駆動部の振動と騒音の増大
緊急停止の頻発によるライン効率の低下
これらの問題に対し、安全性・耐久性・作業効率を一気に向上させることが本工事の最大のミッションでした。
更新対象となるコンベアの構造や取付位置を事前に綿密に確認。既存設備の干渉箇所のチェックや、新部材の搬入経路の確認、作業動線の安全確保など、万全の準備を整えました。
まずは使用を終えた旧コンベアの撤去作業から開始。重機の使用が制限された空間だったため、人力とチェーンブロックを併用しながら、慎重かつスムーズに撤去していきます。動画にもある通り、作業者同士が声を掛け合いながら連携し、吊り作業を安全に実施しています。
搬入された新型コンベアは、高耐摩耗鋼を採用した仕様で、耐久性と静音性に優れています。ユニットごとに分割されており、狭小な設置スペースでも無理なく据付が可能です。
据付完了後は、チェーンのテンション調整やスプロケットの動作確認、潤滑装置の設定などを行い、最終的には通電・無負荷試運転→実負荷試運転→最終検査の流れで安全確認を実施しました。
新素材の導入:従来の炭素鋼に代えて、耐食性の高い素材を採用。腐食によるトラブルを大幅に削減。
潤滑機構の自動化:グリースアップの手間を省きつつ、部品寿命の延長を実現。
低騒音化:モーターと駆動部に防振材を追加し、現場内の作業環境を改善。
現場の様子を撮影した動画からは、作業員一人ひとりが高い集中力で作業にあたっている様子が伝わります。特に、重量物を吊り上げる瞬間や狭所での作業時には、声掛けと連携が命綱です。
現場では、常に「安全第一」の精神を忘れず、ヘルメット・防塵マスク・防護服などの保護具を完全装備。密閉空間での作業であるため、酸欠や粉塵対策も万全に整えました。
更新工事後、エプロンコンベアはスムーズに稼働を開始し、ライン停止やトラブルのリスクが大幅に軽減されました。お客様からは、
「今までにないくらい静かで、動作も安定している。やってよかった!」
とのお声をいただき、施工班一同、大きな達成感を感じています。
私たちは、単なる機器交換にとどまらず、「使う人」「保守する人」「見守る人」の目線を意識した工事の質にこだわっています。エプロンコンベアは目立たない設備ですが、その役割は非常に大きいものです。
更新工事をご検討の方は、どうぞお気軽にご相談ください。現地調査から施工、試運転・保守まで、責任をもって対応いたします。
今後も現場の「今」を伝えるブログを随時更新してまいりますので、ぜひチェックしてみてください!
次回もお楽しみに!
名古屋市緑区を拠点にプラント内の重量鳶工事、機械器具設置工事などを行っております。
お気軽にお問い合わせください。
皆さんこんにちは!
株式会社島工業、更新担当の富山です。
――老朽設備から最新仕様へ、安全・正確にバトンタッチ!
今回は、私たちが担当した「エプロンコンベアの更新工事」について、現場の様子を交えながら詳しくご紹介します。
産業プラントにおけるコンベアラインは、まさに“動脈”。特にエプロンコンベアは、重量物や高温物を安定して搬送する重要な設備です。それだけに、更新工事の一つひとつの工程には高度な専門技術と、現場力が求められます。
エプロンコンベアとは、鋼板製のプレートをチェーンで連結し、摩耗性・耐熱性の高い物質を運ぶための搬送設備です。
特徴は以下の通り:
高温・高湿・粉塵の過酷な環境でも耐久性を維持
鋳物やスクラップのような形状が不定形な物体にも対応可能
ベルトコンベアでは困難な重負荷の搬送に適する
つまり、「とにかく頑丈でタフな搬送設備」と言えるでしょう。
しかし、どれほど頑丈でも、長年の使用によってチェーンリンクの摩耗やプレートの破損、駆動部のトルク異常などが蓄積していきます。これが進行すると、ライン停止の原因になるだけでなく、周辺設備や作業員の安全にも関わるため、計画的な更新が欠かせません。
今回の現場は、某製造工場内の炉前ラインに設置された大型エプロンコンベア。更新の目的は以下の通りです:
チェーンリンク摩耗による搬送ムラの解消
走行時の異音・振動の抑制
緊急停止率の改善
メンテナンス頻度の軽減
対象設備は全長およそ10m、幅は約1m。設備の据付環境は、粉塵・油分・熱気の三拍子が揃った“ハードな環境”。まさに私たちの出番です。
まずは、既設コンベアの寸法を綿密にチェック。
搬送ルートの水平・傾斜の角度確認
駆動モーターの配置と配線経路
据付ベースの経年劣化状況
ここでミスがあると、後工程で据付誤差が発生してしまうため、最新の3Dレーザー測定器も使用し、±1mm以内の誤差で記録しました。
古いコンベアを撤去する際は、特に“溶接部の切断”と“重量物吊り出し”が要です。
重さ数百kgに及ぶプレートやフレームを、ホイストやチェーンブロックで慎重に取り出します。
現場では火花を散らしながらの切断作業。粉塵が舞う中、防塵フード・マスク・防火手袋などの保護具はフル装備。
搬出時は、他の生産設備を傷つけないよう、緻密なルート設計を行いました。
新しいエプロンコンベアの組立では、特にチェーンの噛み合わせとテンション調整に注力。
また、施工現場が傾斜地だったため、水平レベルの確保に時間をかけました。
チェーンテンション調整 → 伸び具合のバランス取り
搬送プレート → 異物の噛み込みリスク軽減加工
ガイドレール調整 → 滑らかな搬送ライン確保
据付が完了したら、空運転と実荷重運転で稼働チェック。
振動測定
異音検知(低周波異常音も含む)
温度異常(ベアリング周辺)
緊急停止時の復帰テスト
不具合ゼロを確認した後、作業完了報告書と操作マニュアルを作成し、お客様へお引き渡ししました。
今回の現場では、粉塵・熱気・油分が混在するため、安全管理も一層厳しく運用されました。
作業員は全員、防護服+フルフェイスマスク装着
定時KY(危険予知)活動によるリスク意識の共有
2人1組体制でのダブルチェック
毎日の熱中症対策と体調確認
作業員のひとりはこう話していました。
「普段、当たり前に稼働しているコンベアでも、裏側の仕組みやメンテの大変さは意外と知られていない。そこを支える仕事に誇りを持ってます。」
まさに、縁の下の力持ちと呼ぶにふさわしい現場でした。
エプロンコンベアの更新は、「単なる部品の交換」ではありません。
それは、稼働率の向上、トラブル削減、そして従業員の安全性確保という経営面にも直結する投資です。
私たちは、これからも設備更新・メンテナンス工事を通じて、産業インフラの安定稼働を支えてまいります。
次回もお楽しみに!